アーユルシャンティ こころとからだに向き合う マインドフルなオトナ女性のための ヨガウェア |
物作りの街としてクリエーターが集まり活気のあるイースト東京エリア。 話題の蔵前に隣接する鳥越にも想いを込めて物作りをしている人が集まっています。 鳥越で革を中心とした製品を作り続けている神田沙耶香さんにお話を伺いました。 ---こんにちは。まず沙耶香さんのお仕事について教えてください。 沙耶香:革製品の設計です。 ---デザイナーではなく、「設計」なんですね。 沙耶香:デザイナーは定義が広いので、設計の方が分かりやすいかなと。 頭の中にあるアイデアは絵ではなく、サンプルで具現化していきます。 小物などは自分で型紙を引いて、素材・色・縫う位置などを選定し試作。実際に使用し気になったところを修正します。それらを繰り返して、最終的な形を職人さんと一緒に考えていきます。 靴は形がある程度決まっており専門分野に分かれているので、お任せした方が良いこと、自分で選定することを分けています。 ---なるほど。ところでどういうきっかけで独立されたんですか? 沙耶香:成り行きでこのような形になっています。スリッパが形になったころ、ひょんなことからお店での取扱いがスタートしました。しばらく取り扱いはその1社だけでしたが 偶然街で友人が出展する展示会の話を聞き、次の日締め切りでした。応募してみたところ審査が通過。そこで何社か取引がはじまり広がっていきました。 一枚革で作られたはき心地の良いスリッパ ---出会いですね。 沙耶香:その展示会で13年ぶりに再会した方に、いま縫製してもらっています。お取引先が1社の頃は自分で作っていましたが、もともと飽きっぽい性格で同じ作業ができない(笑)。ちょうど彼女も独立しようとしていたタイミングで出会い、場所もない時期だったので、機材のある学校やうちの工房に来てもらって生産する、というはじまりでした。 関わっている職人さんとは、元々のアイデアを生かしたまま「こうしたら作りやすい」という意見交換ができるので、職人さんとの取り組みはとても大事です。 ひとつひとつ丁寧に。 ---アーユルシャンティの物作りとちょっと似ています。生産の現場の状況をいろいろ聞きながら物作りをします。 沙耶香:まだ世の中にはなくて、頭に浮かんだイメージだけがある時は、具現化してから話し合います。アイデアの降り待ちみたいなまま、眠っているものも多いです。2年くらい眠っているものもあります(笑)。 ---眠りから覚めて形になるのが楽しみですね。 ところで沙耶香さんにとって仕事は人生の中でどんな役割ですか。 沙耶香:敬意と感謝を媒介するものです。 独立とか、これやりたいというより、流れでいまに至っています。 でもいまの仕事ができているのは、職人さんはじめ、友人、家族に支えられているからだと思います。もしかすると、相手に敬意と感謝が持てる環境であれば、正直なところ仕事はなんでも良いかもしれません。天職というのは、人に感じたことはありますが、自分にそう思ったことはないです。流動的に捉えてきたので。ただ、自分に履ける靴が無かったことは、今に至るきっかけだったと感じます。社会との接点とも言えます。 ---視点が面白いですね。沙耶香さんがゆっくりしたい時に行くところはどこですか? 沙耶香:都会だと銭湯、自然のあるところだと田んぼです。 銭湯に行くようになってから、普段出会うことのない人と会話するようになりました。 いつも会う方と「おやすみなさい」と言い合うだけですが、気持ちがゆっくりします。 中学ぐらいまでは普通の住宅地でしたが、引っ越した先は、田んぼに囲まれていました。 中学・高校の通学で、自転車で農道を通るのがほんとうに気持ちいい時間でした。 ---次は食に関して意識していることを教えてください。 沙耶香:玄米を1日一食はなるべく取るようにしています。 ここ1、2年は、鮮度の落ちたものは買わず、新鮮なものを新鮮なうちに調理することを心がけています。体が丈夫じゃないこともあり、せっかく体にエネルギーを入れるなら、鮮度の良いものを摂取したほうが元気になりますし、シンプルに美味しいので。 ---いいですね。 沙耶香:好き嫌いは特になくお肉もお魚も食べます。きちんと食べないと直ぐに疲れが出るので、バランスよく食べるようにしています。外食でも、種類が豊富に食べられる定食屋さんをよく選びます。近所だと可愛いおじちゃんとおばあちゃんが営んでいる、新聞が読めるところは通ってしまいます(笑)。 あと、胃腸が弱いので冷えないように注意しています。氷水など冷たいものは飲みません。 夜は食事を軽くしています。夜しっかり食べてしまうと、朝から疲れていることもあるので、消化しやすいものを食べるようにしています。 裁ち落としの革で作る100ピースシリーズのコースター ---年齢を重ねるにつれて楽しいと感じることは? 沙耶香:物事の捉え方の変化と選択ですね。 これまで良いと見ていたものがそうは見えなくなったり、気に留めていなかったことが心地よく感じたり、見え方が増えていくような発見が楽しいです。良いと思える基準が多面的になっている気がします。のめり込むタイプなので、引き出しが増えた感じがします。 ---沙耶香さんの思う素敵な女性とは。 沙耶香:礼儀のあるひとです。昔よく行っていた食堂の女将さんをずっと素敵だと思っています。 元気がよくて、嫌味がない。わきまえた印象もあり、距離感がちょうど良い。 機敏な動きの中に、テキトーさが垣間見えるのにも心地さを感じます。 ---相手に対するレスペクトがないと礼儀って成り立たないですよね。 沙耶香:そうですね、人としての包容力を感じます。 ----沙耶香さんの暮らしとの向き合い方は? 沙耶香:心身にできるだけ淀みを残さず1日を終え、次の朝を迎えることです。 ----とってもマインドフルネスな感じですね! 沙耶香:できるだけバランスを整えるような意識の向け方ですね。 ----最後の質問になりますが、沙耶香さんは10年後はどうなっていたいですか。 沙耶香:正にバランス感覚です。10年後って49歳ですね。 多面的な立体の角が取れて、球に近くなるようなイメージで、遊びとか仕事とかを分けず、同じ時間軸で捉えて表現できていたらと思います。 ---今日はいろいろ興味深いお話どうもありがとうございました。 |
PROFILE 神田沙耶香 1979年富山県出まれ。 2000年秋田公立美術工芸短期大学木材工芸コース卒業。 フィッティング販売をはじめ、製造、問屋、修理などの靴業界の各流通分野に携わり、2012年より靴型紙師木越謙藏氏に師事。 並行してオリジナルの製作活動を開始。トートーニーを主宰。 【トートーニー】 トートーニーは、「toe to knee」から名付けています。 つま先から膝までの体を支える足下にとっての履物と、革を身近に感じてもらえるような生活用品の提案を行います。 toe-to-knee.com 靴の受注会 2019ss 名古屋巡回のお知らせ 神田沙耶香さんが義肢装具士の方とといっしょに考えた足裏からやさしく身体を支えるインソールゴムと革が一体となったアウトソール。 きれいに立ち、歩くのを助けてくれる、スニーカーと革靴のあいだのような軽い履き心地のコンフォートシューズの受注会が行われます。 足の計測を含めたフィッティングにより注文できる、特別な展示会だそうです。(21.0~28.0cm 0.5cm刻み) 期間中、神田さんの在店日があります。 名古屋地区の方は是非この機会に! 靴の受注会 2019ss @sahan 2018.11.16 金 -11.21 水 OPEN 11:00-19:00 名古屋市千種区猫洞通3-21 KRAビル1F TEL 052-783-8200 shop@sahan.jp www.sahan.jp 神田沙耶香さん在店日 11.16金 , 17土 , 18日 |